2025/06/30 20:00

日々、私たちが手にするレザー製品。その一枚一枚には、目には見えない“時間”と“命”の記憶が刻まれています。 先日参加した皮革講座では、革という素材の奥深さ、そしてその命の重みを改めて実感しました。
今回は、Angelottiがこだわりを持って使用している「牛革」、そしてその中でも最高級とされる「カーフ」の魅力についてお伝えします。
牛革の種類と、その個性
革の特徴は、その牛の年齢や性別によって大きく異なります。
・カーフ(生後6ヶ月以内の子牛) キメが細かく、柔らかく、滑らかな手触り。希少性が高く、牛革の中でも最上級とされています。
・キップ(生後6ヶ月~2年未満の牛) カーフよりやや厚みがありますが、それでも柔らかく、使い込むほどに味が出ます。
・ステア(生後3~6ヶ月で去勢された、生後2年以上の牡牛) 一般的に最も多く流通している革で、安定した品質と丈夫さが特徴です。
・カウ(出産経験のある牝牛) やわらかく、しなやか。バッグや衣料など女性向けの製品に多く使用されます。
・ブル(生後3年以上の牡牛) 厚みがあり、頑丈なアイテムに適しています。
Angelottiが「カーフ」を選ぶ理由
Angelottiでは、これらの中でももっとも繊細で美しい「カーフ」を使用しています。
それは、ただ“高級”だからではありません。 カーフの持つきめ細やかな繊維構造、手に吸い付くような柔らかさ、そして深みのある光沢―― これらが、私たちが伝えたい「上質さ」と「品格」を完璧に表現してくれるからです。
革は命の記憶。だからこそ、丁寧に扱い、その美しさを長く楽しんでいただける製品へと昇華させることが、私たちの使命だと考えています。
革は、自然からの贈りもの
皮革は、食肉の副産物として生まれた素材。 本来なら廃棄されてしまう命の一部を、長く美しく使い続ける。これこそが、本当の意味での“エコ”だと私たちは考えています。
大量生産・大量消費の時代だからこそ、「命を纏う」ことの尊さを、Angelottiは大切にしていきたいと思っています